<   2012年 12月 ( 1 )   > この月の画像一覧

川で繋がる、戸田漕艇場と浦和監獄

今回のお散歩は戸田漕艇場。これで99回目の記事になります。

第18回東京オリンピックの舞台ともなった歴史あるコースです。

唯一の静水(ここでの定義はよく把握しておりませんが)にして、淡水の漕艇場であり、
橋を境に西側を競艇場、東側をアマチュアの漕艇場として利用されています。
東端には各大学や企業の艇庫(結構立派)もあり、水着のようないでたちでランニングしている学生さんを見かけました。医大や女子大の艇庫もあります。

国内で一番狭いというけれど、全長2・4km、幅90m、
水深は2.5m

2・5mもあるんだ・・・・

幅は建設時より拡張されて今に至っているとの事。



荒川左岸に平行しています。
コース西端辺りで繋がっている、南北に流れている川は笹目川。(水門は永く閉められているらしい)ちなみに笹目川の水源は浦和の白幡沼に発します。(白幡沼の水は用水に流れ、笹目川は人工河川、としている説もあり)

コース東端で接しているのは菖蒲川。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~沿革を辿ると、昭和の初期に幻の第12回東京オリンピック(第二次世界大戦の為中止)を招致する目的で造成され、戸田の他に琵琶湖、千葉の手賀沼、新河岸川、鶴見川などが候補地として挙げられていた中で鶴見川が断念した事でボート会場の開催地が戸田に決定したものの、上記の理由で実際に使用されることはありませんでした。

工事は、荒川周辺の低湿地であるこの近辺を洪水の被害から守る「瀦水池(ちょすいち)」としての
内容を併せ持つものであり、当時の情勢下掘削機等の重機も不足する中人海戦術を持って行われ、労働力として浦和刑務所の服役者を動員
したと資料にはあります

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

瀦水の字が難しい~。「猪木みたいな字」と頭にインプットしました。ダアアーー

荒川の氾濫時や豪雨時に内野部に溢れる水を、巨大プールに瀦水するのですね。。(瀦、使ってみました)
戸田市に関する資料を見ていると何度も「水はけの悪い土地」に苦しんだという記述を目にします。

工事動員者数47万人のうち15万人を服役者で占めていたとか・・・
延べ人数ですよね、びっくりした。

水害対策としての目的もあったボートコース建設ですが、その他も競艇場として至るまでの曲折が色々興味深い事ばかり。
ギャンブル場ですから、PTA他の反発があったり。「日本のモナコにする気か」。。

★参考資料:日本財団電子図書館 競艇沿革誌

d0250051_16545710.jpg

競艇のキョの字も知らないおいら・・・
「競艇はスタート一発勝負だからね~」と聞かされてはいましたが。
狭いコースなら尚更でしょう








モーターボートと聞くと「一日一善」と自然に口について出てくる世代です。
戸締り 用心 火の用心・・・って。

d0250051_16573699.jpg
ドンチャック???じゃないですよね・・・
でもこのげっ歯類具合が似すぎ。














d0250051_17069.jpg
漕艇場側から。
水際に降りて行ける、この際の景色が好きです。スロープが素敵。















d0250051_1724184.jpg
立教大学のボートハウスが現代的。新しくして間もないのでしょうか。
ボロボロの小屋みたいなのをイメージしていました。建て替えを待つ大学の艇庫もこの日一つ見掛けました。







d0250051_1762685.jpg
色鮮やかな、漕艇マンホール!
















コースの向かいにあった、だだっ広いTBSラジオの送信所。
d0250051_17102669.jpg

広い敷地に、送信搭やら空中には電線やらがいっぱい。びりびり。
好きな人いらっしゃるんでしょうね~。

私はここで小川哲哉さんの声をひたすら思い出していました。
電リクしちゃおうかー。


ちょうどこの頃(夏)は軍の送信所にいろいろ興味がつながっている時期でしたので
(船橋の行田、佐世保の針尾等々)送信所に呼ばれたんだな・・・と勝手に何でも関連付ける困ったさん。でもそういう時ってある。波長っていうのかな、向こうから関連した情報や単語がぼんぼん飛び込んでくる時って。



そして本題。
「浦和刑務所の服役者が動員され・・・」の記述に
「ああ浦和ね。浦和のどっかにあるんだよね。」くらいの認識しかありませんでした。

調べてみると浦和刑務所というのは無いのです。今は拘置所ですね。
現在あるのは、埼玉県庁のそばの「川越少年刑務所 さいたま拘置所支所」。

地図を見ていたら、拘置所脇には崖沿いのうねる道が。匂いたつような。



d0250051_10182656.jpg
少々ぼけてしまいました。
いかにも水が流れていたであろう雰囲気を漂わせています。
しかもこの道かなり暗い。


























d0250051_102155100.jpg
ここはまだ東側が駐車場で開けているので明るい方。





























d0250051_10244395.jpg
崖上は拘置所や官舎の敷地。
崖下にも古い、おそらく無人であろう官舎が。

難を転ずる、で縁起物の南天を崖上に発見しました。









d0250051_10273168.jpg
崖下に埋まっていた古井戸。
浦和は地下水に恵まれた地域で、マンション建設時に水が噴出して一晩中止まらなかった事例もあるのだそうです。
カッパ着て、汲みに馳せ参じたし・・・






d0250051_10301374.jpg
最後、またぼけてしまいましたが古そうな石組み。
こういう箇所を歩いていると何となくいけない事をしているようで、うまくカメラを構える事叶わず。









この崖低地は白幡沼(後述します)の方からずっと連続しているものと思います。
白幡沼は笹目川、笹目川は戸田漕艇場と水面でつながっています。
水を媒介した、因縁めいた不思議なつながりを想起させます。

結局戸田漕艇場→笹目川→白幡沼→白幡沼からの緑道暗渠、を辿り、拘置所脇の崖にまで遡上し、常盤公園の辺りまで北上して辿りましたが・・・


 
 そうして市役所付近まで歩いてきて、刑務所関連の施設が意外な場所にあり。

d0250051_1036106.jpg
鯛ヶ窪(素敵な古名)橋という陸橋がかかる新道の交差点。信号向こうの、金網に囲われた一角。
周りにすっかり取り残されたような空間。

鯛ヶ窪橋が架けられる以前はどのような空間だったのか・・・
真下は崖地になっています。


d0250051_10384837.jpg
拘置所管轄の墓地。

墓地といっても、あるのは墓石三基と、石碑。












d0250051_1043277.jpg


















d0250051_10462434.jpg
近寄れないので遠景になりますが、一番大きな石碑に「更生」の文字が。更生園でしょうか。


























d0250051_10483830.jpg
隣地の民家より小高く位置しているのがわかります。
















d0250051_10493355.jpg

































d0250051_105095.jpg
墓石に「浦和監獄」「合葬」の字が彫ってあります。

墓碑に近づいて日時やその他の文字が読めればここに監獄の墓がある経緯などもわかると思うのですが・・・

おそらく浦和監獄で亡くなり、引き取り手の無い受刑者をここに合葬したのでしょう。













浦和監獄には秩父事件の関係者も多く収監されていたそうです。まだ10代の者も。
金網の外から手を合わせて、その場をあとにしました。


戸田漕艇場建設に携わったとされる浦和刑務所の受刑者。
戸田漕艇場に水門で繋がっている笹目川を北上し、その水源とされる白幡沼の谷をさらに北上すると
現在の拘置所脇に。(その谷の名前がわかりません)

そして谷を更に北上し、谷から少々離れた場所にあった監獄の墓地。往来の激しい新道脇に佇む、監獄の旧い痕跡。
うまく描けませんが、何故いちどきに結びつくのだろう・・・もやがかかった一貫性。


次回以降にその浦和監獄と漕艇場の中間に位置する白幡沼について綴りたいと思います。
(別所沼も訪れています)


浦和ね・・・大宮台地の南端、なだらかな起伏が狭い間隔で迫ってくる、東京や横浜の荒々しい谷とはまた違う魅力ある一面を持つ土地。

ローライズな感じですかね。
歩いていて浮かんでくる文字は「堆」

浦和を冠した駅名がいっぱい。東西南北、武蔵、浦和美園。

かなり虜です。
線路が描く面白い空間も!また次回以降に

d0250051_11192156.jpg






















d0250051_17303626.jpg
[PR]
by onnbubatta | 2012-12-13 13:22 | さいたま | Comments(8)


暗渠、猫、池、高低差、崖、弁天、軍遺構、建築、階段、廃線、天体   その他徒然(適当です)


by onnbubatta

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
前谷津川
出井川
蓮根川
石神井川系
田柄川
千川上水
専用水道
渋谷川系
立会川
神田川支流
白子川
藍染川
足立区
地方
石神井川
水窪川
えんが堀
百々向川
蟹川
神奈川
内川
新河岸川
谷中川
さいたま
谷端川
荒川区
葛飾区
千葉
世田谷
江戸川区
中野区
北区
目黒川
江東区
未分類

最新の記事

江東区南砂5丁目の残存蓋暗渠
at 2017-11-04 20:05
深く険しい谷の変遷を辿る~前..
at 2017-08-17 10:05
薬師の泉からの流れ・・・?板..
at 2017-07-26 16:04
水面に映るもの。逆さ目黒エン..
at 2017-07-13 12:41
江戸川区葛西沖残照~旧海岸線..
at 2016-10-19 14:34
谷端川暗渠。北池袋~下板橋間..
at 2016-06-25 10:21
江戸川区松島3丁目、青の世界..
at 2016-06-15 15:42
旗の台:昭和大学そば。野の花..
at 2016-05-11 12:34
鮮やかに艶やかに散るらむ・・..
at 2016-04-01 14:58
道路計画(大蛇)に飲み込まれ..
at 2016-03-19 15:28

以前の記事

2017年 11月
2017年 08月
2017年 07月
2016年 10月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月

フォロー中のブログ

東京の水 2009 fr...
暗渠徘徊の日々

お気に入り(お邪魔しています)

最新のコメント

>lotus62さん ..
by onnbubatta at 21:47
これはありがたい…。早速..
by lotus62 at 18:27
> sumizome_s..
by onnbubatta at 07:22
9/23の土曜日、足なら..
by sumizome_sakura at 17:34
> lotus62さん ..
by onnbubatta at 18:10
キタ、ツルマイ池!! ..
by lotus62 at 12:40
>namaさん nam..
by onnbubatta at 20:57
ご無沙汰してます。きょう..
by nama at 12:45
> sumizome_s..
by onnbubatta at 10:16
なるほど、円福寺の南西の..
by sumizome_sakura at 04:21

検索

アクセス

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧