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沢蔵司稲荷近辺の麗しい水路跡

遅くなりましたが、今年初の記事になります。
本年も宜しくお願い致します。
暫く記事を書いていなかったので、リハビリがてら綴ります。

丁度一年前、冷たい空気に包まれた曇天のある一日に小石川近辺を歩いていて、散策の最後の行程で流れ着いたのが沢蔵司稲荷でした。
(たくぞうす稲荷、変換にひと手間掛かる)

沢蔵司は伝通院の学寮(栴檀林)の修行僧で、僅か三年で浄土宗の奥義を極めたエリート。その正体は千代田城内の稲荷大明神だったのです。


一年前の様子です。
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長い事文の京に住処を置きながら、初訪問の沢蔵司稲荷。
「パワースポット」として知られているそうですが、そういった修飾語の予備知識に支配されないよう、身構えて中に入りました。
(意地っ張り。「お化けなんてないさ♪」を必要以上の音量で脳内で流す感じ??)
いつもだったら「窪地にダイブ」とか口走りそうですが、軽い気持ちで行ってはならぬと改めて心を整えたり。

道路からは全く見えない窪地地形。進入して初めて、そこに突然穴が開いているような感覚・・・
突発的且つ異質な窪地の形成史を知りたい気持ちが高まります。
曇天下、色が少ない中に、鳥居や献灯の色が妙に浮き出ています。

昼なお暗きスリバチ。やっぱり異様な雰囲気が充満していました。数歩先に親子連れが来ていて、「コワイ~コワイ~」と騒いでいてくれたのが返ってありがたかったです。。

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窪地の底、鳥居の先にあるのが狐棲の洞穴「霊窟」です。

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写りが良くない点が申し訳ないのですが、
バラバラっと置かれた小さな鳥居の数々、穴が塗り込められたような様には言葉を失います。


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↑↑献灯の足元のこういった件も、誰か説明して下さいな・・・(震震震)


沢蔵司稲荷、谷底に漂う妖気もさることながら、谷底に降りる前の際(キワ)の雑多な感じもまた、妖気の序章のような位置づけになっている気がします。

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台地の際に、色々なジャンルの物が置かれている
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こういう表情好き。

lotusさんが、「谷端川に架けられていた”ふじはし”の親柱がある」と教えて下さったのですが、この時は確認出来ませんでした。
(8月に再訪した際に見つけられました!)

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昔おうちにこの柄の風呂敷ありました。今では泥棒さんのアイテムの象徴のような扱われ方ですが・・
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なかなかどうして、この場所に渦巻く妖気によく似合っています。


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水が集まりやすいのでしょう。
ボブスレーの滑走路のような、瓦造りの溝。



沢蔵司稲荷の窪、うまく言えない乍ら、谷端川の支谷っぽくない雰囲気があって孤高の(狐高?)佇まいなんですよね。
谷端川(小石川)、大塚より下流は右岸とか特に大きな支流も交えないなかで。

 
お隣の善光寺にも興味深いものがありました。(ちょっと立ち寄っただけ)

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「昭和二年二月」と書かれた木箱・・・
相当年月を経た木箱が置かれていました。
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さて、表題の「沢蔵司稲荷近辺の水路跡」へ。。

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沢蔵司稲荷の前の道路を隔てた辺りに、溝がありそうな雰囲気を感じたので近づいてみました。
(完璧に私有地に取り囲まれています)

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この奥に水路を感じる・・・

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しかし行き止まり。右側の石組みの湾曲が何とも風情があります。
窪地に向かって行き止まりになるこの雰囲気、関口と目白台間辺りにも似たような場所があったっけ。

何とか確認できる場所を探して・・・一目だけでも見られたら。

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・・・何という美しい水路跡なのでしょう。
私有地に取り囲まれているゆえ、奇跡的にこの形状で残ったものかも知れません。

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こんな遺構が人知れず?眠っていたなんて。
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割と落差もありますね。架橋も確認できましたが、使われることはあるのでしょうか。

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足元には、下水道局のプレートも。


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この水路の下流部分で、痕跡が感じられるのはこの付近だけ。
あとは勝手に小石川へ落ちていくのだろうな、と。
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地割や擁壁マークなどから、このような流路と推測しました。

では、上流部分はどうなっているのでしょう・・?
地形から見て、礫川小学校(地学テイストの校名ナイス)の南東端付近が出発点と思われます。
(丁度その位置に学校のプールがあるので、それが水源か(笑))

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雰囲気が伝わるという点ではこれぐらいかな・・・

 
この時は目視と、下水道のプレートで「水路跡」と思ったものの、暫く胸に秘めていた状態でしたが、


を書くに当たって出会った地籍図にこの「沢蔵司稲荷そばの水路跡」が青線で明確に記されていたのです。

当該地籍図によると出発点は春日通り、富坂警察と礫川小の間くらい。終点は前掲の地図に私が記した青線辺りになっていました。
嗚呼・・・私の目に狂いは無かったよ。ありがとう地籍図。
地籍図には他にも、過去の銭湯として礫川小の北東辺りの「瀧の湯」、出発点付近の春日通りを渡った辺り「塩湯」が掲載されていました。

また過去の住宅地図を眺めていると、沢蔵司稲荷向かいの椋の樹(沢蔵司が宿っているとされる樹。伐採すると祟りがあるという事で今でも道が不整形)の所に交番が在ったり、沢蔵司稲荷児童遊園というのが在ったり。。と様々な発見がありました。
樹にまで宿るとは・・・沢蔵司様の超人的な力にはただ驚くばかりです。


上述の通り、大塚より下流の小石川、特に右岸には目立った支流が無かったような気がして。
ハイハイ、後は惰性で流れていくからね~、みたいな(酷い)。
なのでかなり意外な出会いとなりました。
小石川の支流で本当に合っているのか明言できないのですが、カテゴリは谷端川に交えてみました。
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グーグルアース’東京地形地図)様より拝借した地形図。
礫川小の方からうっすらとした谷が始まっているように見えます。谷頭が小学校近辺ですし、改変もあったのでしょうか。



小石川の谷は「蟹工船の暗い谷」のイメージが支配し過ぎていて、現在の拡幅された千川通りとの乖離幅が広すぎて
なかなかきちんと歩いていません。。



そのあと一度、昨年の夏(9月)に沢蔵司稲荷を再訪したものの、当該水路跡を訪れてはいないのです。。

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・・・以前にも増して凄みを増しておりました。


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谷底の霊窟脇の池跡?
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再訪時にやっと確認できた「ふじはし」橋跡。
初回訪問時は、独り異様な空気に包まれてそれどころではありませんでした。

真冬と真夏、苛酷な気候に何故か訪れる事になる沢蔵司稲荷。

暫くブログを書いていないと、なかなか取り掛かれないものですね。。

ちょっと自らに喝を入れてもらいましょうか。(礫川公園の春日局像です。大河ドラマでは千石出身の大原麗子さんが演じていました。
とにもかくにも礫川れきせん。じゃりじゃり)
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ていっ・・・!


一年過ぎてしまいましたが、小石川界隈を散策した時の写真などを又機会あれば綴っていきたいと考えています。

稲荷大明神の化身である沢蔵司、どんな姿だったのだろうと色々と思いを巡らせています。端正に着物を着こなした長身の姿、お顔は精悍な狐・・というイメージが浮かんでいます。

そんな過程で度々思い出されるのは、芥川龍之介の「点鬼簿」の一節。
心を病んだ母に、絵を描いてくれと頼む幼少期の芥川龍之介。母が描いた幾つかの絵の人物の顔は、狐だったという。

僕の母は如何にももの静かな狂人だった。僕や僕の姉などに画を描いてくれと迫られると、四つ折の半紙に画を描いてくれる。画は墨を使うばかりではない。僕の姉の水絵の具を行楽の子女の衣服だの草木の花だのになすってくれる。
唯それ等の画中の人物はいずれも狐の顔をしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

追記。2016年4月、こちらで夜桜を鑑賞した際の写真です。ライトアップとかやっていなそうなイメージだったので、思わぬ景色に息をのみました。(牛天神と沢蔵司稲荷に夜詣してようかなと軽い気持ちで・・・)


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↑この写真が一番好きかな?右側に張り出した感じと、何色なのか描写が難しい闇の色。

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灯のアーチ部分の意匠が素敵でしょう~


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ライトの具合なのか、この一枚はほんのりアーティフィシアルな桜色の映りになっていますね。


「下に」降りてみようかと勇気を振り絞って階段を降り始めた途端にこけて左足を挫いて、あ~もう無理だ無理だとそそくさと引き返したのでした・・・







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by onnbubatta | 2016-02-27 12:39 | 谷端川 | Comments(9)


暗渠、猫、池、高低差、崖、弁天、軍遺構、建築、階段、廃線、天体   その他徒然(適当です)


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